空 飛 ぶ 犬
よい子の本当にあった話シリーズ01
ある所に空を自由に飛び回ることが出来る空飛ぶ犬がいました。
いつものようにお空をブーンと飛んでいた空飛ぶ犬の元に、宮城たったと言うあまり良い噂のない人がやってきたと思えば、宮城たったは空飛ぶ犬にこう言いました。
『オレの言うことは全て正しい!間違いなど1つも無いのだ!おまえもそう思うだろう?』
空飛ぶ犬はそう思いませんでした。
『(∪^ω^)そうは思わないお。』
素直に思ったことを伝えた空飛ぶ犬に、たったは大変驚きました。必ずそう思うと返答されるだろうと思っていたからです。
納得のいかないたったは、同じ質問をくる日もくる日も空飛ぶ犬にしました。
空飛ぶ犬も質問されるたび、同じ返答をしました。
たったはとうとう怒ってしまいました。
『なぜ、そう思わないんだ!!!』
空飛ぶ犬はたったを怒らせた罰として、お家を燃やされてしまいました。
空飛ぶ犬のお家にはたくさんの思い出がつまっていたのです。
たったはそう思うと言うまで、おまえに同じ質問をし続けてやるぞ!!!と怒鳴り散らしました。
悲しむ暇もなく驚いた空飛ぶ犬は、慌ててお空に浮かぶ雲の中に飛び逃げ、難を逃れました。
お家を無くし居場所を奪われ困った空飛ぶ犬は、友達の猫の家に逃げ込みかくまって貰うことにしました。
ところが運悪く、あっと言う間に宮城たったに猫が留守の最中に見つかってしまいました。
宮城たったは世界一有名な猫嫌いでした。ずっとむかし、猫に顔を引っかかれたからだそうです。
たったはここぞとばかりと猫の大事にしていた家具や宝物のぬいぐるみを壊して回りました。
一通り壊し終えると、こうなったのは空飛ぶ犬がちゃんと納得の出来る答えをしなかったからだと空飛ぶ犬のせいにしたのです。
空飛ぶ犬は隙を見て自慢の飛行能力で、助けを求めに近くの酒場に急いで飛んで行きました。
『(U´ω`)酒場ならきっとこんな真夜中でも誰かいるはずだお!』
酒場につくなり空飛ぶ犬は大声で必死に助けを求めました。
ーーが、酒場には誰も居らず、空飛ぶ犬の悲痛な叫び声は静寂に飲み込まれてしまいました。
空飛ぶ犬はとうとう泣き出してしまいました。空飛ぶ犬の心はボロボロです。
疲れ果てた空飛ぶ犬は、安らぎを求めてお空よりずっとずっと高いお空へ飛んでいきました。
おしまい。